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Kindle英語本「イラストだから覚えられる会話で必ず使う英単語1100」の感想

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 子供のころに言葉を習得するとき、その一番の教師は親であるとよく言われます。確かにその通りで、ちょっとした言葉の使い方でも間違いがあればその都度親が根気よく訂正してくれます。小学生くらいになれば、時や場所などのTPOによって言葉を使い分ける方法も身についていきます。

しかし、大人になってから外国語を学ぶためにできることは限られています。ネイティブスピーカーが子供のころに経験してきたやり方を、できる限り真似ることしかないでしょう。大人になって言葉を学ぶ利点は、子供では読めない専門書も読むことできることです。

ビジュアルで子供から大人まで使える単語を吸収

子供にはとても難しい抽象的な単語も、大人になれば単語帳をネイティブスピーカーにすることができます。子供の頃は動物や花などの具体的な物の名前を、そのまま親から教えてもらいます。

しかし、大人になれば抽象的な単語も知っておく必要があります。抽象的な単語をもっと覚えやすくするために、ビジュアルを使って覚えやすくできます。

今回紹介するこの単語帳を使えば、目で見ることにより、抽象的な単語も覚えやすくなるように工夫されています。

「イラストだから覚えられる会話で必ず使う英単語1100」

わずか6か月間という短期間で、TOEIC500点から900点までにスコアを伸ばし、日本各地から直接学びにくるほどの人気のある著者です。イギリス留学(計2年間)の経験と、独学での単語習得法を活かした、見ているだけでも楽しく分かりやすい単語帳です。

本書の特徴

  • イラストを見れば、単語の意味がすぐ分かる
  • 会話でよく使う単語を中心に構成している
  • よく使う単語を厳選。1100語と少なく絞っている

書店には様々な単語帳が並べられていて、それぞれに使い方の特徴があります。本書は、すべての単語に「イラスト」があり、「会話」で使うものを厳選して収録しています。英会話をさらに充実させたい方には、うってつけの一冊です。

本の構成

  • Chapter 1 日常生活の動作
  • Chapter 2 人々の暮らし
  • Chapter 3 街の風景
  • Chapter 4 食物
  • Chapter 5 さまざまな生き物
  • Chapter 6 地理・気象
  • Chapter 7 健康・医療

本書が特に有効であるのは、「イラスト」を使って「動作」を表現できている点です。一般的に、動作は動詞で表し、イラストに描いて説明することはめったにありません。動詞の意味をそのまま文字で覚えようとします。

しかし、本書はその動詞のイメージを「イラスト」で表し、より具体的なイメージを持ちながら覚えることができます。動詞のビジュアルイメージが具体的になればなるほど、長期記憶として意味が定着します。

Chapter1では他の単語帳にはない新鮮さがあります。抽象的な動詞でも「イラスト」でずらりと紹介しています。例えば次のような動詞をイラストで描いてあります。

抽象的な動詞の例

  • 「炭酸がぬける」
  • 「コンセントにTVのプラグを差し込む」など。

単語と意味を無理やり関連させて覚えてもよいのですが、イラストと一緒に記憶に残すことで、より長期的な記憶へとつながりやすくなっています。

充実したコラム

単調な単語帳ではすぐに飽きてしまう人でも大丈夫です。本書にはコラムがたくさんありますので、飽きません。

単語の覚え方やスピーキングの練習方法などが掲載されており、単語暗記に直結するコラムを読めば、記憶を深めることができます。

まとめ

子供の頃に教えてもらうネイティブの言語習得法を、目で見て長期的、具体的に記憶することができるとてもよい単語帳です。覚えた単語が頭の中でイラストとなって思いだされれば、会話もスムーズに弾むことでしょう。

単語とその訳だけ羅列された単調な単語帳に飽きた人は、この一冊を手にとってみてください。イメージが目から入ってきて、意味が長期記憶としてとどまることは間違ありません。

紹介した本の情報

  • タイトル:イラストだから覚えられる会話で必ず使う英単語1100
  • 著者: 石井辰哉
  • 出版年:2016年
  • ISBN:978-4-8443-7477-0
  • 出版:株式会社クロスメディア・ランゲージ
  • 本体価格:1880円

アメリカとは違うイギリスの英語表現が聞ける2本の有名映画をご紹介

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 イギリスとアメリカ。両者とも英語を使う国です。しかし、所変われば言葉も変わります。ひとくちに英語といっても、実は国によって様々な使い方があるのです。そこで、今回はイギリス英語とアメリカ英語の違いについて、映画から見ていきたいと思います。

イギリス英語が聞ける名作「ハリーポッターと賢者の石」

さて、まずは誰もが知っているでしょう魔法使いの映画『ハリー・ポッター』の一作目「賢者の石」から見ていきます。こんな場面があったのをみなさん覚えていらっしゃるでしょうか?

ロンとハリーが変身術の授業に遅れて入っていきます。しかし、まだ先生の姿がなかったので、安心したロンはこう言ってしまいます。

「ふう、間に合った。遅刻したらマクゴナガルがどんな顔するか……」

しかし、その瞬間、机の上に座っていた猫が飛び上がり、マクゴナガル先生に姿を変えてしまいます。先生ははじめから教室にいたのです。それを見たロンは、先生に向けて「変身、お見事でした」とたじろぎながら、と口にします。

この中に、イギリスならではの表現が隠れています。それは「変身、お見事でした」です。英語でなんと言っているかというと「 bloody brilliant」。

ですが、本来「bloody」は「血なまぐさい」などのあまり良いイメージの言葉ではありません。これでは余計先生を怒らせてしまいそうですよね。そもそも、会話の中で突然「血なまぐさい!」という言葉が出てくるのも不思議なのですが、実はイギリスでは「bloody」はスラングとしてよく使われるのです。

イギリス英語のスラング「Bloody」の意味

スラングとしてのこの言葉には、意味はありません。単純な強意表現になります。少し言葉遣いが悪くなってしまいますが、日本語では「すげえ」などの言葉に近いのでしょう。基本的には失礼な言葉なので、後ろにマイナスのイメージの言葉が続くと、本当に強く罵る感じの意味合いになります。

「 bloody idiot! 」などと言えば「大バカ野郎!」という意味合いになります。

ですが、相手を褒めるときに使う場合もあり、今回のように「 brilliant 」=「見事、素晴らしい」というプラスのイメージの言葉が続くときは、賞賛の意味合いになります。

ただ、このスラング、イギリスやオーストラリアでは非常によく使われるのですが(ロンは他にも「bloody hell」を連発しています)、アメリカではほとんど使われません。

使うとしたら、イギリス人のマネをする時くらいでしょうか。ですので、アメリカへ行った時に使ってしまうと、少し違和感があるかもしれません。逆に、「イギリス訛りがアメリカではモテる」という通説を信じ、あえて使ってみるというのも手なのかも........!

同じ英語なのに、こんな違いがあるというのは面白いですよね。

クリスマスの英国映画と言えばこれ! イギリス英語を堪能できる『ラブ・アクチュアリー

また、恋愛映画の王道『ラブ・アクチュアリー』では、「lovely」という単語かあらゆる場面で出てきますが、これはまさにイギリス英語の特徴です。日本語では少し違ったニュアンスで受け取られていますが、本来は「素晴らしい」などの意味で用いられる表現です。

アメリカでは「great」などと表現されるのが普通ですが、「lovely」の方がはるかに意味の幅が広く、「Thank you」の代わりに使われることもあるそうです。一方で、アメリカ人はほとんど「lovely」という単語を使いません。「lovely」という言葉が出てきたら、ほぼ間違いなくイギリス人だと言えるでしょう。

クリスマスに関する英語の違い

もう一つ、この映画で見られたイギリス英語を挙げてみましょう。「Father Christmas」という言葉です。何のことでしょう?ヒントはアメリカで言う「Santa Claus」のことです。お分かりですね。サンタクロースのことです。

さらにクリスマスを祝う時、日本では「Merry Christmas」と言いますが、これはアメリカ英語。イギリスでは「Happy Christmas」と言います。こんなところにも違いがあるのですね。

私たちが学校などで教わる英語や日常に溶け込んでいる英語は、アメリカで使われているものが多いです。しかし、 英語の本家イギリスで使われる言葉を学んでみるのも面白いのではないでしょうか?

「to+動詞」について徹底解説。名詞的用法、動名詞の違いを学ぼう。

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中学校英語で最も躓きやすい単元の一つが不定詞です。

「to+動詞の原形」という一つの形に、「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」といくつもの用法があり、それぞれ違った訳になります。また、「名詞的用法」と同じような使い方をする「動名詞」というものまであります。

そのため多くの人が「ワケワカラン!」と投げ出したくなってしまうのですが、ポイントを押さえればそこまで難しいものではありません。ここでは不定詞の名詞的用法について、分かりやすく解説してみたいと思います。

名詞的用法の基本をおさらい

まず、名詞的用法のごく簡単な例文を見てみましょう。

①I like an apple.
②I like to play tennis.

②が不定詞を使った文ですが、はじめに①を見てください。日本語に訳すと「私はりんごが好きです。」となりますね。「like=好き」という動詞の後ろに「an apple=りんご」という名詞句を置いて、好きな物を表しています。

しかし、好きになるのは「名詞」で表現できる「物」だけではありません。「動作」が好きになることもあるはずです。そういう時は好きな物を表す「名詞」が置かれていた所に「to+動詞の原形」を当てはめることで、動詞を「名詞」のような働きにできるのです。

訳し方は①とほとんど同じです。また日本語訳も加えて比べてみましょう。

① I like an apple.
(私はりんごが好きです。)

② I like to play tennis.
「私はテニスをする〇〇が好きです。」

〇〇の中に入る言葉は何でしょうか? 簡単ですね。「こと」です。日本語では動詞の後ろに「こと」をつけて「〜すること」と言うと名詞っぽくなります。なので、名詞的用法だと分かれば「〜すること」という風に訳せばいいのですね。名詞的用法では、文法的に名詞が入るべき場所に不定詞「to+動詞の原形」が置かれています。

名詞が置かれる場所は大きく2つ。今回の場合のように動詞の後ろに目的語として置かれる場合と、文頭に主語として置かれる場合です。例を並べてみてみましょう。

②I like to play tennis.
③To play tennis is fan.

どちらも「to play tennis」というかたまりが不定詞部分で「テニスをすること」と訳します。では、全文を訳すとどうなるでしょうか?

②は前述のように「私はテニスをすることが好き。」です。
③は「テニスをすることは楽しい。」になりますね。

名詞的用法かどうかを見分けるには、このように文の目的語、あるいは主語になっているかどうかで判断します。

ここまでの内容をまとめると

⒈名詞的用法の訳し方は「〜すること」
⒉名詞的用法の見分け方は、「to+動詞の原形」の置かれる場所

(1)動詞の後ろに目的語として置かれる
(2)文頭に主語として置かれる

となります。難しくはありませんよね。

不定詞の名詞的用法と動名詞の使い分け

また、名詞的用法と同じような使い方ができる「動名詞」というものがあります。動詞の語尾にingをつけた「〜ing」という形で使います。訳は不定詞の名詞的用法と同じく「〜すること」。例を見てみましょう。

③To play tennis is fan.
④Playing tennis is fan.

2文の違いは、文頭の主語が「to play」か「playing」かだけで、他は全く同じです。そして、「to play」 も 「playing」も同じ意味なので、「テニスをすることは楽しい」と全文の訳も一致します。基本的には不定詞と動名詞はどちらを 使ってもいいのです。

しかし、例外があります。例として、また2つの文をみてみましょう。

⑤l want to play tennis.
⑥I enjoy playing tennis.

まず、⑤の文は直訳すると「私はテニスをすることが欲しい。」になってしまいますが、そんな日本語を話す人はいませんね。「テニスをすることが欲しい=テニスがしたい」ということなので、「私はテニスがしたいです。」と訳せばいいのです。不定詞の名詞的用法では、直訳では不自然になるものも多いです。「want to〜」で「〜したい」と覚えてしまいましょう。

さて⑤は「私はテニスがしたいです。」となります。では⑥はどうでしょう?「私はテニスをすることを楽しむ。」ですね。この2つは、不定詞部分と動名詞部分を入れ替えることはできません。

なぜか?

それは不定詞に「未来」を表す傾向があるのに対して動名詞は「過去あるいは現在」を表す傾向があるからです。要するに「まだやっていない」か「既にやっているか」の違いです。

⑤ l want to play tennis.
(私はテニスがしたいです。)

この場合は不定詞部分「to play tennis」の「テニスすること」はまだやっていないことですよね。「テニスしたい」と言いつつ、もうテニスをしていたら、何を言っているんだか分かりません。このように不定詞は「まだやっていないこと」を表すのです。

一方で、

⑥ I enjoy playing tennis.
(私はテニスすることを楽しむ。)

この場合は既にテニスをしていますよね。ですから「既にやっていること」を表す動名詞しか使えないのです。このように、動名詞不定詞の使い分けは、その不定詞や動名詞が「まだやっていない」ことを表しているか「既にやっていること」を表しているかで判断します。

不定詞や動名詞は分かりにくいと思われがちですが、整理して考えればそんなに難しいものではありません。みなさんも難しいと決めつけずにしっかり見直してみてください。

英語学習本レビュー。西村喜久著「すごい!英語は前置詞だ!」の感想

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中学校や高校で英語を習っても、なんとなくぼんやりしていて、使い方が難しいのが「前置詞」です。日本語では、「学校に行く」の「に」や「我が家へおいでください」の「へ」などを「助詞」と呼びますが、英語ではこれに当たるものを「前置詞」や「副詞」で表現します。簡単そうに見えても、「前置詞」の使い方は日本人にはとても難しいものです。

(例1)「学校に行く」・・・「go to school」

「to」(前置詞)を使うのはよく知られています。しかし、この場合はどうでしょうか。

(例2)「家へ行く」・・・「go to home」??

「家」という語の「home」を使う場合は、「go to home」とは言えません。「go home」と使います。

このように、「前置詞」は日本人には感覚的にはとても分かりにくいものです。「前置詞」の感覚をきちんと知ることで、英語をより正確に表現できるようになり、より豊かな表現を身に着けることができます。

 

前置詞が詳しく学べる英語学習本「すごい!英語は前置詞だ!」

中学生までは運動部に所属し、英語が大嫌いだった著者。しかし、あるきっかけから英語を猛勉強し始め、「西村式」と自負する誰にでも分かりやすい英語を目指して研究を続けている著者の一冊です。

苦労を重ね、自力で単語を習得した経験や、英語教育を根本から変化させたい思いで設立した「滋賀英会話学院」での体験をもとに、面白おかしく「前置詞」を説明しています。

 

本の構成

Introduction 前置詞と副詞の基本
Chapter 1   前置詞の動き・空間・距離・方向・時間 
Chapter 2    前置詞の選び方
Chapter 3    前置詞の円運動
Chapter 4    副詞+前置詞
Chapter 5    形容詞+前置詞(副詞)

著者は、「英語はとにかく分かりやすくなければならない」という一貫した精神を、Chapter1~5でよく見てとれます。Introductionの導入部分では、タイトルだけを見ると他の文法書が想像され、読みたくない心境になるかもしれません。しかし、そうではありません。イラストや表などを多用し、「分かりやすく」という信念を貫いた「面白おかしい」説明で終始しています。気楽に読め、かつ真剣さが伝わってきます。

注目すべきは、Chapter2です。日本人が迷いやすい「前置詞の選び方」がイラストと表をたくさん使い説明されています。サブタイトルは「どこが違うの!?」です。

「toとfor」、「byとforとuntil」など、ネイティブスピーカーがどのような感覚で「前置詞」を使っているかという分かりやすい説明によって、より深く英語の表現方法を身に着けることができます。

例えば、「to」は「もとの場所に戻らない」、「for」は「もとの場所に戻ってくる」という根本的なイメージの違いを分かりやすく説明しています。

 

コラムや体験話が面白い

著者は自分で「無駄話」と言っていますが、ところどころ急に現れるコラムや体験談が読んでいてとても面白くためになります。急に書いてあるところも、読者を飽きさせない工夫と、著者の性格がよく表れている部分です。まじめに語っているけど内容が面白く、どんどん読み進めていくことができる構成になっています。

ぜひ、著者の苦労話から英語習得の面白さを汲み取ってみてください。

 

文法を難しいと感じさせない工夫

「前置詞」と聞くと、「ああ、また文法か。もういいよ。大変だし、飽きた・・・」なんて声が聞こえてきそうです。しかし、著者のパーソナリティ溢れる文体と、様々な工夫された大きなイラストと表によって、読者を魅力してくれます。

本書では「前置詞」だけに特化していることで、飽きやすい文法習得もリズムを持って習得できる点は、髙く評価できます。

つまらない本を読む時間ほど無駄なものはありません。この一冊はそうではなく、楽しく読めて、読んだ後には爽快感が感じられるほどです。

 

まとめ

単調な習得になりがちな文法を、著者独自の視点で「無駄話」を交えながら面白おかしく語ってくれる一冊です。日本人にはとても分かりにくい「前置詞」だけを取り上げ、「分かりやすくなければならない」という一貫した精神をもとに、本当に分かりやすく「前置詞」を身に着けることができます。英語表現の幅をますます広げてくれる一冊です。

紹介した本の情報

  • タイトル: すごい!英語は前置詞だ!
  • 著者: 西村喜久
  • 出版年:2011年
  • ISBN:978-4-7569-1463-7
  • 出版:明日香出版社
  • 本体価格:1300円

おすすめ英語学習本「ネイティブが絶句!その英語が危ないです。by デイビッド・セイン」の感想

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日本人が使う英語を聞いて、ネイティブスピーカーは驚ろかされ、ドキドキさせられ、面食らうことがよくあるそうです。この原因は単純です。英語が流暢に話せることやペラペラしゃべれることとは全く関係なく、英語の使い方に問題があるのです。

テレビなどで、あまり上手な日本語を話さない外国人を聞いたことがありますね。時には違う意味で解釈してしまいそうな、はらはらさせられる日本語もあります。

ボビーオロゴンという方を知っていますか?

この人は実は日本語がとても上手なのに、わざとのように変な日本語や下ネタに近い言葉を連発させて、聴衆を魅了しています。こういった笑いを取れるようになるには、かなりの日本語の習得が必要です。

これとは逆のことが日本人にも当てはまります。中途半端に英語の意味を知っていても、外国人には理解できなかったり、変な英語になることもしばしばあります。相手に誤解を持たせない、きちんとした英語を身に着けて、正確に相手に伝わる英語を使いたいものですね。

「ネイティブが絶句!その英語が危ないです。」

今回紹介する一冊は、「ネイティブが絶句!その英語が危ないです。」と、タイトルの通り使い方を誤れば相手に変に伝わる日本人英語とその英語らしい言い方を300以上も集めています。

著者について

1959年、アメリカで生まれた著者「デイビッド・セイン」は、来日してから会話や翻訳での豊富な講師経験を活かし、これまでに体得してきた日本人の「危険な英語」をまとめた集大成です。

本の形式は著者独自にこれまで出版してきたものとほぼ同じで、正解、不正解を読者に問いかける形式です。

本の構成

大きく6つにカテゴリーが分かれています。辞書的に使うこともできますし、読書のようにパラパラと読み進めていくこともできます。

本の構成

Part1 セクハラ・パワハラまがいの「無神経すぎる」英語
Part2 人種・宗教・文化の違い… 「知らなかった」ではすまない英語
Part3 汚い・下品・キツすぎる… 「品性を疑われる」英語
Part4 少しのミスで、言いたいことが「9割伝わらない」英語
Part5 ネイティブは失笑必至! 「トンデモすぎる」英語
Part6 依頼・相づち・謝罪・拒否… そんな言い方では「怒られる」英語

本書の特徴

本書の特徴としてまず素晴らしいのは、空いている時間があればすぐに手にとって読める点です。ほんの数分あれば、いくつかフレーズを手軽に読めることはとても高く評価できます。読書のように読み進めていくこともできますし、お気に入りのパートから読み始めることもできます。時間をあまり気にせずに読めることは、忙しい人にとってはとてもありがたいことです。

2つ目に、本書を辞書のように使うことができる点です。最初の「もくじ」では、各ページに説明しているタイトルをそのまま掲載しています。「もくじ」だけを見ても、読みたい項目を一挙に探すことができます。辞書を使って単語を探す感覚で、読みたいフレーズを探すこともできます。

最後に特筆すべき点として、コラムで新しい情報を取得できる点です。日本と外国の文化の違いを発見することによって、日本の素晴らしさと外国の文化の両面を知ることができます。文化の違いを知っておくことで、より深く英語の文化を理解することができます。

本書の特徴

  • 少ない時間で、どこからでもさっと読める
  • 「もくじ」だけでも、見たいものをすぐに探せる
  • 日本との文化比較でためになるコラム

まとめ

著者のこれまでの著作の集大成とも呼べる一冊です。日本人にはなかなか理解しにくい英語らしい表現を手軽に学ぶことができ、日本人の考え方との違いに触れることができる貴重な一冊です。『「そんなつもりじゃなかった」は通用しない!』と表紙にも書かれているように、正確に英語を使って表現する方法を身に着けることができます。

紹介した本の情報

  • タイトル:ネイティブが絶句!その英語が危ないです。
  • 著者デイビッド・セイン、古正佳緒里著
  • 出版年:2014年
  • ISBN:978-4-309-02347-2
  • 出版河出書房新社
  • 本体価格:1200円

「I Can't Make You Love Me」から学ぶMake、Let、Haveの使い方【使役動詞】

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私の好きな洋楽に『I Can't Make You Love Me』という曲があります。 アデルやボニー・レイットジョージ・マイケルなど、著名な歌手が歌っている名曲です。とても切ない歌で、それはタイトルにも表れているのですが、実はここには文法的に注意したい表現が潜んでいます。 「~させる」の意を表す使役動詞の「make」です。 そこで、今回は、この「make」をはじめとする使役動詞の使い方を見ていきたいと思います。

   

使役動詞「make」とは?

  さて、「make」は一般的には「作る」という意味で知られています。 ですが、使役動詞の「make」は「make+人(目的語)+動詞の原形(させること)」の形で「(人に)~させる」という意味で使います。

例えば「私は彼に仕事をさせる」なら、 I make him work. となります。これだけならば、難しいことはありませんね。   しかし、そこまで簡単ではありません。    

 

3つの使役動詞の使い分けポイント

  使役動詞には「make」の他に「let」と「have」があります。この3つの使い分けが難しいとされているのです。 では、使い分けるポイントは何なのか? 実際に例文を見てみましょう。  

①I make him work till late. (私は彼に遅くまで仕事をさせる。)

②I let him play a video game. (私は彼にゲームをさせる。)

③I have him wash the hands. (私は彼に手を洗わせる。)   勘のいい方は、「make」と「let」の違いにお気づきですよね。  

①の例文はおそらく本人がやりたくなさそうなこと、②の例文はやりたそうなことです。 つまり、「make」は強制的(本人の意思に関係なく)に何かをさせる時に使い、「let」は本人がやりたいと思っていることをさせる時に使います。 なので、「let」に関しては「~させてあげる」のように許可を表すと考えると間違えることもなくなるでしょう。     

Haveの使役動詞としての使い方

例文だけでは分かりづらいのが「have」です。 手を洗いたがっているわけではないでしょうから、「let」との違いは分かりますが、「make」との違いはなんでしょう? それは「make」には強制力があるのに対し、「have」にはそれがなく、言われなくてもそれをするのが自然であるような場合に使うことです。  

今回の例文では、無理やり手を洗わせているわけではなく、当然の行為をやるように言っただけだから「have」を使っているのですね。 もし③の例文で「make」を使ってしまうと、たいへん偉そうな印象になってしまいます。 さらに「have」は命令するような意味合いを含んでいないので「~してもらう」と言いたいときに便利です。例えば、「私は昨日髪を切りました」と言う時、 ④I cut my hair yesterday.(私は昨日髪を切りました) とすると、大抵の場合間違いになります。

自分で髪を切っているという意味になってしまうからです。   英語では必ず「してもらう」の意味になるように、 ⑤I had my hair cut yesterday.(私は髪を切ってもらいました) となるようにしなくてはなりません。  

ちなみに、この場合のは目的語である「my hair」は「切る人」ではなく「切られる対象物」なので、後ろの動詞の形は「される」の意を持つ過去分詞の形にします。    

 

間違えて使うと文意が大きく変わってしまう!

  それを理解した上で、はじめの洋楽のタイトルを見てみましょう。 I Can't Make You Love Me 「make」を使っているということは、「私はあなたに(強制的に)私を愛させることはできない」という意味になります。

切ない歌詞ですね。しかし、ここで「let」に置き換えてしまうと、 I Can't Let You Love Me です。   これだと「私は(あなたがそう望んでいても)あなたに私を愛させてあげることはできない」となり、何やら切ない感じはしますが、大きく意味が変わってしまいます。

さらに、これを「have」にすると、 I Can't Have You Love Me 「私は(そうするのが自然なことなのに)あなたに私を愛してもらうことはできない」となり、ちょっと理解が苦しい文意になってしまいます。   こう考えると、同じく「~させる」と訳す使役動詞でも、実は全く違った意味であることが分かります。 でも、全く違うからこそ、使い分けはそんなに難しくはありませんね。    

 

「レッツゴー」も使役表現

  ちなみに、日本語にも定着している「レッツゴー」という言葉も「let」を使った使役表現です。 英語にすると「let's go」となり「さあ、行こう」の意味ですが、省略されている部分をきちんと書くと「let us go」となります。「us」は「私たちに」の意味ですので、直訳すると「私たちに行かせる」という日本語になります。 これなら「みんなで行こう」の意になるのはうなずけますよね。  

え? 「UFO」って「ユーフォー」じゃないの? 日本語と違う略語の発音とその使い方

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「UFO」という言葉は、誰でも目にしたことがありますよね。 未確認飛行物体を意味する英語の略語です。

ですが、お聞きしたいのは読み方。 そんなの「ユーフォー」に決まっている、と多くの方がおっしゃるかも知れませんが、実はそれは和製英語英語圏では通用しないのです。

では、正しく発音するとどんな風になるのでしょうか? 今回はこの「UFO」という言葉から、英語の略語の読み方、使い方をご紹介したいと思います。    

「UFO」の読み方とは? だれでも知ってる略語から考えよう

さて、「UFO」の正式名称は「Unidentified Flying Object」。

「Unidentified」=「未確認」、「Flying」=「飛行」、「Object」=「物体」となりますので、そのまま「未確認飛行物体」という意味になります。単語の頭文字をとって、「UFO」になっているのですね。

そして、発音に関しては、似たような略語で考えると分かりやすいはずです。 例えば「アメリカ合衆国」を意味する「United States of America」の略は「USA」です。これを「ユーサ」と読む人はまさかいないでしょう。 間違いなく「ユー・エス・エイ」です。   さらに、遺伝子を意味して使われる「DNA」という言葉は日本語にも定着していますが、英語圏でも「ディー・エヌ・エイ」とアルファベットを一つずつ発音します。

これらと同じように、基本的にアルファベットの略語というのは、アルファベットのまま読みます。繋げて読んではいけません。 ですので、「UFO」の読みも「ユー・エフ・オー」になります。英語圏に行って恥ずかしい思いをしないためにも、知っておくとよい知識かもしれません。

 

日常的に使える便利な略語をご紹介

ASAP = As soon as possible

日常的に使うちょっと面白い略語もあります。一つ目は「ASAP」。 これも読み方は「エイ・エス・エイ・ピー」なのです。では、なんの略か? その答えは「as soon as possible」です。「できるだけ早く」という意味ですね。ビジネスメールなどでよく見かける言い回しです。ただし、少し偉そうな響きになってしまうので、上司から部下への指示等で使われことが一般的です。間違っても、部下から上司へ使ってはいけません。 一方で、日常的な友人との会話では砕けた表現として使っても問題ありません。 「I want to meet you ASAP.」なんていうふうに、「できるだけ早く会いたい」などと言うこともできます。

BTW = By the way

もう一つ、ご紹介したいのが「BTW」という略語。これは「ところで」と話題を変える時や、「ちなみに」と補足的な事柄を伝える時に使う「by the way」の略です。 読み方は同じくアルファベットの名前で「ビー・ティー・ダブリュー」と読みます。

ASAP」と違うのはかなり砕けた略語であること。ですから、こちらはビジネスメールなどで使うのは不適切になりますので、併せて覚えておいた方がいいですね。    

和製英語の気を付けて! 英語圏で通じない略語

  また、日本独自の略語もあります。「NG」という言葉は、みなさん使いますよね。これは「良くないよ」を意味する言葉で、英語の「No Good」の略です。「エヌ・ジー」と発音するので、一見正しい使い方のように感じられるのですが、実は和製英語。 海外では通用しないので、注意が必要です。      

例外もあるのでご注意を!

最後に、略語の読み方でも、ちょっと例外はあります。 それは、「NASA」という略語。これは、英語圏の人も「ナサ」と読みます。「エヌ・エイ・エス・エイ」ではないので、こちらもご意ください。「パソコン」、「コンビニ」、「スマホ」……。日本語に独特の略語があるように、英語にも様々な略語が存在し、日本語と違った発音のものも多いです。 こうしたことを覚えていくと、ネイティブらしい英語に一歩近づけるかもしれませんね。