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映画『 Mr.インクレディブル』から表現冠詞の「the」の使い方を考える。 「〇〇一家」の言い方とは?

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英語を勉強していると、よく見かけるけど実は使い方がイマイチ分からない、というものがありませんか? でも、あまりにも頻出しているので、今さら人には聞けない......。 中学1年生の時、初めて本格的に英語の勉強を始めた頃から出てきている冠詞の「the」など、その最もたる例ではないでしょうか。    そこで、ここでは、どのような時に「the」を使えばいいのか解説してみたいと思います。    

 

冠詞の「the」のポイント=「限定できるかどうか」を分数を使って考える

  さて、冠詞のポイントといえば、「限定できるかどうか」とよく言われています。 ですが、そもそもこの「限定できる」ということが、どういうことなのか理解できない、そんな方も多いのではないでしょうか?    それをすっきりと解決してくれるのが、分数を使った考え方です。分かりやすく、例えを使って説明しましょう。    

五人の生徒がいて、その内二人が100点をとったとします。

これを分数で表すと100点をとったのは2/5となり、どの二人が100点をとったか、限定、つまり特定できないですよね。 だから100点をとった生徒は「students」と表します。   ですが、もし五人全員100点をとったら、分数では5/5。 これであれば、誰が100点か特定できますね。この場合、英語では「the students」になります。    このように分母と分子が同数になると、可能性があるうちの全てを指すことになるので、特定できます。 そのため「the」がつくと判断できるわけです。逆に分母と分子の数が違えば、全ての内の一部を指すので特定できず、「the」は付かないとなります。   それでいけば「かわいい女の子」という日本語も、「a pretty girl」なら特定できていないので、「たくさんいるかわいい女の子の内の一人」となりますが、「the pretty girl」ならば特定できているので、1/1、つまり「一人だけのかわいい女の子」という意味になります。    もう少し違った例も考えてみましょう。AとBが会話しています。  

 

A:I heard you have a nice skirt. (あなたが素敵なスカートを持ってるって聞いたわ。)

B:My boyfriend bought me the skirt. (ボーイフレンドがそのスカートを買ってくれたの。)  

 

この場合、最初のスカートは、特に決まったものではなく、たくさんあるスカートのうちの1つを意味して「a nice skirt」となっていますが、一方でBの言っているスカートは、彼が買ってくれた、ただ一つのスカートなので1/1で「the skirt」となります。

   

『 Mr.インクレディブル』から考える「〇〇一家」の表現

  堅苦しい話になってしまったので、少し力を抜いて映画の話をしましょう。 2004年に『Mr.インクレディブル』という映画がありました。ピクサーが手がけたアニメーションで、スーパーヒーロー一家が大活躍する作品です。この映画の原題は『The Incredibles』。 よく考えるとちょっとおかしなタイトルですよね。もともと「incredible」は「信じられない」「驚くべき」などの意味を表す形容詞で、名詞と共に使う冠詞や複数形の「s」はつくはずがありません。 しかし、映画内で「incredible」は、邦題のように主人公の通称「Mr.Incredible」を意味します。 それに冠詞の「the」と複数形の「s」がついているということは、何を意味するのか......。  

先ほどの「the」の知識で考えてみましょう。

  「the」は可能性のある内のすべてを意味することになります。Mr.Incredibleはもともと一人ですが、今回の場合「The Incredibles」となっており、語尾に複数形の「s」がついています。 ということは、1人ではなく複数を意味していると考えられます。 では、Mr.Incredible以外にincredibleな人々とは誰でしょうか?   もちろん、Mr.Incredibleの家族をはじめとするスーパーヒーローたちです。 なので、ここでは「Incredibles」は登場するスーパーヒーローたちを指し、それに「the」がついているということは、「スーパーヒーローたち全員」を意味しているのです。    この考え方は、何もこの映画独自のものではありません。 英語で「〇〇一家」を意味する言葉も、同じような使い方をするのです。 例えば「田中さん一家」であればファミリーネームの「Tanaka」に「the」と複数形の「s」を付けて「the Tanakas」と表現します。 映画の原題は「〇〇一家」の表現になぞらえたものだったのですね。とにかく、「the○○s」で「○○一家」ぜひ覚えてみてください。    

 

まとめ

  冠詞の「the」はネイティヴでないと、なかなか理解しにくいもの。しかし案外分数で考えてみると、分かりやすくはなかったですか? 考え方に慣れてくれば、分数に変換せずとも、瞬時に冠詞を使い分けることができるようになるはずです。 それまでの補助輪として、この分数の考え方を利用してみてください!