おすすめ英語勉強本と留学、海外就職ブログ

海外就職、留学、英語学習法などについてのブログです。

「I Can't Make You Love Me」から学ぶMake、Let、Haveの使い方【使役動詞】

f:id:wing1:20180128203140j:plain

私の好きな洋楽に『I Can't Make You Love Me』という曲があります。 アデルやボニー・レイットジョージ・マイケルなど、著名な歌手が歌っている名曲です。とても切ない歌で、それはタイトルにも表れているのですが、実はここには文法的に注意したい表現が潜んでいます。 「~させる」の意を表す使役動詞の「make」です。 そこで、今回は、この「make」をはじめとする使役動詞の使い方を見ていきたいと思います。

   

使役動詞「make」とは?

  さて、「make」は一般的には「作る」という意味で知られています。 ですが、使役動詞の「make」は「make+人(目的語)+動詞の原形(させること)」の形で「(人に)~させる」という意味で使います。

例えば「私は彼に仕事をさせる」なら、 I make him work. となります。これだけならば、難しいことはありませんね。   しかし、そこまで簡単ではありません。    

 

3つの使役動詞の使い分けポイント

  使役動詞には「make」の他に「let」と「have」があります。この3つの使い分けが難しいとされているのです。 では、使い分けるポイントは何なのか? 実際に例文を見てみましょう。  

①I make him work till late. (私は彼に遅くまで仕事をさせる。)

②I let him play a video game. (私は彼にゲームをさせる。)

③I have him wash the hands. (私は彼に手を洗わせる。)   勘のいい方は、「make」と「let」の違いにお気づきですよね。  

①の例文はおそらく本人がやりたくなさそうなこと、②の例文はやりたそうなことです。 つまり、「make」は強制的(本人の意思に関係なく)に何かをさせる時に使い、「let」は本人がやりたいと思っていることをさせる時に使います。 なので、「let」に関しては「~させてあげる」のように許可を表すと考えると間違えることもなくなるでしょう。     

Haveの使役動詞としての使い方

例文だけでは分かりづらいのが「have」です。 手を洗いたがっているわけではないでしょうから、「let」との違いは分かりますが、「make」との違いはなんでしょう? それは「make」には強制力があるのに対し、「have」にはそれがなく、言われなくてもそれをするのが自然であるような場合に使うことです。  

今回の例文では、無理やり手を洗わせているわけではなく、当然の行為をやるように言っただけだから「have」を使っているのですね。 もし③の例文で「make」を使ってしまうと、たいへん偉そうな印象になってしまいます。 さらに「have」は命令するような意味合いを含んでいないので「~してもらう」と言いたいときに便利です。例えば、「私は昨日髪を切りました」と言う時、 ④I cut my hair yesterday.(私は昨日髪を切りました) とすると、大抵の場合間違いになります。

自分で髪を切っているという意味になってしまうからです。   英語では必ず「してもらう」の意味になるように、 ⑤I had my hair cut yesterday.(私は髪を切ってもらいました) となるようにしなくてはなりません。  

ちなみに、この場合のは目的語である「my hair」は「切る人」ではなく「切られる対象物」なので、後ろの動詞の形は「される」の意を持つ過去分詞の形にします。    

 

間違えて使うと文意が大きく変わってしまう!

  それを理解した上で、はじめの洋楽のタイトルを見てみましょう。 I Can't Make You Love Me 「make」を使っているということは、「私はあなたに(強制的に)私を愛させることはできない」という意味になります。

切ない歌詞ですね。しかし、ここで「let」に置き換えてしまうと、 I Can't Let You Love Me です。   これだと「私は(あなたがそう望んでいても)あなたに私を愛させてあげることはできない」となり、何やら切ない感じはしますが、大きく意味が変わってしまいます。

さらに、これを「have」にすると、 I Can't Have You Love Me 「私は(そうするのが自然なことなのに)あなたに私を愛してもらうことはできない」となり、ちょっと理解が苦しい文意になってしまいます。   こう考えると、同じく「~させる」と訳す使役動詞でも、実は全く違った意味であることが分かります。 でも、全く違うからこそ、使い分けはそんなに難しくはありませんね。    

 

「レッツゴー」も使役表現

  ちなみに、日本語にも定着している「レッツゴー」という言葉も「let」を使った使役表現です。 英語にすると「let's go」となり「さあ、行こう」の意味ですが、省略されている部分をきちんと書くと「let us go」となります。「us」は「私たちに」の意味ですので、直訳すると「私たちに行かせる」という日本語になります。 これなら「みんなで行こう」の意になるのはうなずけますよね。