アメリカとは違うイギリスの英語表現が聞ける2本の有名映画をご紹介
イギリスとアメリカ。両者とも英語を使う国です。しかし、所変われば言葉も変わります。ひとくちに英語といっても、実は国によって様々な使い方があるのです。そこで、今回はイギリス英語とアメリカ英語の違いについて、映画から見ていきたいと思います。
イギリス英語が聞ける名作「ハリーポッターと賢者の石」
さて、まずは誰もが知っているでしょう魔法使いの映画『ハリー・ポッター』の一作目「賢者の石」から見ていきます。こんな場面があったのをみなさん覚えていらっしゃるでしょうか?
ロンとハリーが変身術の授業に遅れて入っていきます。しかし、まだ先生の姿がなかったので、安心したロンはこう言ってしまいます。
「ふう、間に合った。遅刻したらマクゴナガルがどんな顔するか……」
しかし、その瞬間、机の上に座っていた猫が飛び上がり、マクゴナガル先生に姿を変えてしまいます。先生ははじめから教室にいたのです。それを見たロンは、先生に向けて「変身、お見事でした」とたじろぎながら、と口にします。
この中に、イギリスならではの表現が隠れています。それは「変身、お見事でした」です。英語でなんと言っているかというと「 bloody brilliant」。
ですが、本来「bloody」は「血なまぐさい」などのあまり良いイメージの言葉ではありません。これでは余計先生を怒らせてしまいそうですよね。そもそも、会話の中で突然「血なまぐさい!」という言葉が出てくるのも不思議なのですが、実はイギリスでは「bloody」はスラングとしてよく使われるのです。
イギリス英語のスラング「Bloody」の意味
スラングとしてのこの言葉には、意味はありません。単純な強意表現になります。少し言葉遣いが悪くなってしまいますが、日本語では「すげえ」などの言葉に近いのでしょう。基本的には失礼な言葉なので、後ろにマイナスのイメージの言葉が続くと、本当に強く罵る感じの意味合いになります。
「 bloody idiot! 」などと言えば「大バカ野郎!」という意味合いになります。
ですが、相手を褒めるときに使う場合もあり、今回のように「 brilliant 」=「見事、素晴らしい」というプラスのイメージの言葉が続くときは、賞賛の意味合いになります。
ただ、このスラング、イギリスやオーストラリアでは非常によく使われるのですが(ロンは他にも「bloody hell」を連発しています)、アメリカではほとんど使われません。
使うとしたら、イギリス人のマネをする時くらいでしょうか。ですので、アメリカへ行った時に使ってしまうと、少し違和感があるかもしれません。逆に、「イギリス訛りがアメリカではモテる」という通説を信じ、あえて使ってみるというのも手なのかも........!
同じ英語なのに、こんな違いがあるというのは面白いですよね。
クリスマスの英国映画と言えばこれ! イギリス英語を堪能できる『ラブ・アクチュアリー』
また、恋愛映画の王道『ラブ・アクチュアリー』では、「lovely」という単語かあらゆる場面で出てきますが、これはまさにイギリス英語の特徴です。日本語では少し違ったニュアンスで受け取られていますが、本来は「素晴らしい」などの意味で用いられる表現です。
アメリカでは「great」などと表現されるのが普通ですが、「lovely」の方がはるかに意味の幅が広く、「Thank you」の代わりに使われることもあるそうです。一方で、アメリカ人はほとんど「lovely」という単語を使いません。「lovely」という言葉が出てきたら、ほぼ間違いなくイギリス人だと言えるでしょう。
クリスマスに関する英語の違い
もう一つ、この映画で見られたイギリス英語を挙げてみましょう。「Father Christmas」という言葉です。何のことでしょう?ヒントはアメリカで言う「Santa Claus」のことです。お分かりですね。サンタクロースのことです。
さらにクリスマスを祝う時、日本では「Merry Christmas」と言いますが、これはアメリカ英語。イギリスでは「Happy Christmas」と言います。こんなところにも違いがあるのですね。
私たちが学校などで教わる英語や日常に溶け込んでいる英語は、アメリカで使われているものが多いです。しかし、 英語の本家イギリスで使われる言葉を学んでみるのも面白いのではないでしょうか?